映画【ROOM】の感想
映画【ROOM】を観ました。
今回はその感想です。ネタバレ含まれますのでご注意ください。
劇場公開日:2016.4.8 アイルランド・カナダ合作
監督:レニー・アブラカムソン
ジョイ:ブリーラーソン
ジャック:ジェイコブ・トレンブレイ
ROOMは2016年第88回アカデミー賞で作品賞を受賞、主演のブリーラーソンは主演女優賞を受賞されていました。
テレビで予告編をみて監禁から脱出する話、という大まかな流れは知っていて、
今回たまたまレンタル屋さんで目に入ったので怖いもの見たさ、という感じでみてみました。
世の中にはおぞましい監禁事件があり、時折ニュースにもなっています。
監禁されている状態ってどんな状態なんだろうという好奇心もあったと思います。
見た感想ですが、最初はあまりに平和に部屋で暮らしている母と子をみて
あれ?意外に適応してるの?と、拍子抜けでした。
でもそれはみていくうちにそうじゃない。母親であるジョイがなんとか子供のジャックに悲しい思い、
つらい思いをさせないようにとしていた演技で、そうとう無理をして笑顔を作ったり強い振りをしたりしていたのかな
って思い始めて。
徐々に限界に近付きつつある母親と、それについていけない無垢で小さな男の子の姿は
本当につらくて「早く脱出して!!」
と前半は本当に苦しかったです。
そしてようやく脱出したときは男の子の視点が移るようになり、
後半は私的には思いがけない方向にいきました。
脱出してようやくハッピーに暮らせる。前向きに過去を取り戻せる
なんてことはなく、あったのはもっとリアルな現実でした。
離婚した両親、父親はどうやらアル中になっているっぽいし、
娘を監禁した男の血をひきついだ孫を直視することができない。
その点は母強し・・・!
いら立ちや戸惑いをみせつつもしっかり娘を受け止め、孫にも優しく接して。
ジョイが「おばあちゃん大好き」て言ったときは本当に大号泣でした。
そう、後半は今まで頑張ってきた母親(ジョイ)に降りかかる監禁に対する怒り、哀しみ、自責の念、周囲からの好意の目、
心無いマスコミたち・・・
きっと、監禁されていた間は息子を守ることに集中していたんだと思います。
それが外に出たとたん今まで押し込めていたいろんな感情がおしよせてきて、見ていて本当につらかったです。
一方5歳の息子もみていてつらかった。
今までの母親とだけの生活から世界世界にほうりだされてとまどって縮こまって。
でもそんな彼を救ったのはおばあちゃんと一緒に暮らしている肉親ではない男性。そして近所の男の子たちや子犬・・・
最後には息子のほうが先に世界に飛び出し、そして母親を救おうとするその姿に
本当に感動しました。
ラスト、「ママもルームにバイバイして」といったのは
前を向いて進んでいこう、という力強いメッセージを感じました。
監禁した男がその後どうなったかわからなかったのがちょっと心残りでした。
今後裁判でジョイが対面したらと思うと、私までつらいですが、
是非一生1畳くらいの窓のない密室に閉じ込めるかしてほしいものだと思います。
ただの監禁事件の解決、という切り口ではない、
母親と息子の絆、ものさ、つよさ、傷ついた人に対し、周囲がどう支えればいいのか、どう接すればいいのか、
そんなことまでいろいろ感じさせられたいい映画だと思いました。
しかし、もう一回見たいかというと、もう正直みたくないです笑。辛すぎて><
こういう事件は本当世の中から絶対になくなってほしいなあ・・・
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